くりくりまろんのマリみてを読む日々

2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

瞳子と「演劇」を中心に⑧ 小笠原一族の心的傾向に関して

"はちかづき"さまより、登場人物の姿勢についての精緻な考察をメールでいただきました(ありがとうございます)。ほぼ全文を転載させていただきます。文中リンク等を加え、余計かもと思いつつ強調表示も入れました。 くりくりまろんさまが『「特別でないただの…

瞳子と「演劇」を中心に⑦ 瞳子の原則・攻撃性との折り合い

第一に「性格」の問題として描かれているのではないか 瞳子というとまず目立つのが激しい気性です。あくまでその気になればですが先輩も半泣きにさせることができます。髪型などと違って眉というのは生来のものですから「気の強そうな眉」という描写は、気性…

瞳子と「演劇」を中心に⑥ 自由に伸びる祐巳

祐巳の認識力 祐巳についてはあなたは自然のままが一番良いと祥子に言われているように性質そのものについては野放しであり、内省は多いのですが鋭く自分と対決せざるを得ないということはありません。 そして③のように祐巳の深層(あるいは二重構造)として…

瞳子と「演劇」を中心に⑤ 根の深さとのたたかい

直截な解決は無い話 ただ、前記のような問題をマリみては掲げ始めたのではないかとの推測をするとしても、問題の提示とその解決というような直截なものではなく、問題の提示に続く希望の提示という形になるのかもしれません。その希望はスール制度のもたらす…

瞳子と「演劇」を中心に④ 瞳子と祐巳の絆はどこに

マリみて版「カインとアベルの物語」? 前記のような祐巳の中の幼子と、祐麒が瞳子の中に見たような荒ぶる「幼稚園児」(それぞれの「資質」と言い換えても良いですね)を並べるとどのように見えるでしょうか。この点、マリみて解題の試みさまが瞳子について考…

瞳子と「演劇」を中心に③ 祐巳の中の「子ども」の物語

祐巳の透過性 イメージに注目した話を続けます。 祐巳の中には、天真爛漫で天使のような微笑みを持つ幼子がいるのでしょう。子供というものの一つの理想形で周りの大人を引き付け癒します。決して暴れたりはしません。しかし虚弱体質で良くぐずり、その意味…

瞳子と「演劇」を中心に② 変容を遂げた少女の物語

「プール帰りの女の子たち」から 話が広がりすぎるのをおそれずに。瞳子が幼稚園児の姿に重ねられたように、実際の年齢と違う姿によってその人の重要な部分が示されているところがあります。 同じく「OK大作戦」で作戦を練り終え、祐巳が祥子と落ち合うため…

瞳子と「演劇」を中心に① 祐麒が見た瞳子の素質

月も改まって今日は「妹オーディション」の発刊日。「妹」の字を冠するとはずいぶんとまた直截なと思いつつ、楽しみにしております。土曜が休みで金曜の深夜にじっくり読める、という方は多いのではないでしょうか。 一人の中の対立軸 「『マリア様がみてる…