2005-01-01から1年間の記事一覧
マリみてTTの掲示板にて。冬紫晴さん(マリみて解題の試み)によると、瞳子の演じた小公女に関連して ・Amy(エイミー)と同じ名前であるEmily(エミリー)という人形が出ている ・瞳子には、小公女を彷彿とさせるものが感じられる そうです。《青空文庫》の中…
姉妹制度の知恵⑤のコメント欄の続きです。よーすけさまからいただいているのを改めて張り付け直します。 舞台裏的な見方をすると、祐巳の、周囲の動向に対するリアクションでしか自己主張が出来ない、自意識の薄い、曖昧模糊としたキャラクター造型は、古風…
『未来の白地図』、新宿マイシィティの有隣堂で買ってきました。二時の時点でサイン会の整理番号は76番。ああ、ついに生の今野先生に。 …さて。 主体的な努力がされていた 「女優業に専念する」と言って「パラさし」以降あまり登場していない瞳子ですが、そ…
自らの外に重ね合わされていた?ジョアナ 感情との向き合い方という点に焦点を当て、どのように描かれてきたのかを見たいと思います。 『ジョアナ』は瞳子の内心の独白という形で綴られており、異型のものでした。表題になっている人形「ジョアナ」は重要な…
姉妹制度の知恵①などでよーすけさまから重い内容を持つコメントをいただいており未だに消化しきれていないのですが、改めて考え直したいと思います。 ・祐巳にとって他者の好意や愛情というものは、与えられるまで待っていなくてはならない、自分から求めて…
『未来の白地図』の表紙が公開されましたね。展開の予想は苦手でいつも外してばかりゆえ、諦めております。しかし、表紙の絵から連想されることをつらつらと述べたいと思います。言わば判じ絵遊びです。 表紙の構図での、体の向きと視線の方向に注目してみま…
新刊の題は『未来の白地図』。浅はかな先入観かも知れませんけれど、瞳子の出奔は心の中のことを抱えきれずに逸脱的な行動をしてしまった(行動化、アクティング・アウト)、などということが書かれているのでしょうか。 これまでの話の現象だけを見るならば、…
…そして、祐巳が瞳子の役を聞き「ピョンコピョンコ」と飛び跳ねて喜ぶところは、瞳子にも何らかの感慨を与えたに相違ありません。瞳子に対する共感を示すという点では最上のものであった可能性もあります。演劇が題になっているシーンでこのような全身を用い…
マリみてでは人物の関係が、それぞれどのように変化してゆくのかということを軸に話が展開されています。しかし人物どうしの相互関係とはまた違った視点で注目したいのが、深く特定の活動・物事に関わり、しかもそれが何らかの表現行為へと結びついている様…
可南子について祐巳がこんな感想を述べています。 口に出して言わなかったけど、可南子ちゃんにとって、お姉さまと呼べる人がいたら、それはこの世で夕子さんだけなのかもしれない。祐巳は、そう思った。 この世でただ一人、といった強い言葉がさり気なく出…
前回、母性などという言葉を持ち出し、だいぶ違和感を持たれた方もいるかもしれません。あるいは今更当たり前のことと思った方もいるかも知れません。誰もが容易に了解できるようであると同時に全てを語ることは到底不可能な大きな概念ではありますが、マリ…
突如現われた要素 少し総括的で抽象的な話です。「紅薔薇のため息」で最も驚いたのは、一見マリみてにそぐわないような「上のステージ」「勝てない」「同志」などといった言わば男性原理的な匂いのする言葉が次々に祐巳に投げかけられたことです。勝つ・負け…
祐巳、柏木氏に完敗。 …と、いう風合いの話です。今「紅薔薇のため息」を読み終わったのですが、僕は「真夏の一ページ」所収の「略してOK大作戦(仮)」がマリみての中でも極めて好きであり、その続編のように読めて大変楽しめました。学園から一歩飛び出した…
やさしさを引き出す「妹」であった可能性 「B.G.N」ではじめて瞳子に会ったとき、祐巳は祥子の瞳子に対する様子が妙にやさしく見えたことにもショックを受けています。そして瞳子には周囲の者に何らかの感興を呼び起こさずにはいられない、愛らしい素振りも…
瞳子と祥子の間柄について考え直してみたいと思います。一体どうなっているのか不思議な気がしてくるのが瞳子と祥子です。瞳子にとって憧れのお姉さまなのが祥子であるという認知がクラスの中でされているようですし、祐巳の目から見てもほぼそのようです。…
マリみては刺激的な題材が多いものですから、つい意気込んで深読みをしたくなることがあります。しかしその前に思い起こされるのは前回popさまがコメントで述べられているように、誰にでも覚えがあるような心の動きや葛藤がきめ細かく丁寧に扱われている小説…
"よーすけ"さまより、「演劇」をめぐっての瞳子と祥子の関係などを中心に、コメント欄が伸び過ぎではとのこともあってメールをいただきました(ありがとうございます)。 こちらでくりくりまろんさんのご意見などを伺いながら考えが至ったのは、瞳子のキャラク…
"はちかづき"さまより、登場人物の姿勢についての精緻な考察をメールでいただきました(ありがとうございます)。ほぼ全文を転載させていただきます。文中リンク等を加え、余計かもと思いつつ強調表示も入れました。 くりくりまろんさまが『「特別でないただの…
第一に「性格」の問題として描かれているのではないか 瞳子というとまず目立つのが激しい気性です。あくまでその気になればですが先輩も半泣きにさせることができます。髪型などと違って眉というのは生来のものですから「気の強そうな眉」という描写は、気性…
祐巳の認識力 祐巳についてはあなたは自然のままが一番良いと祥子に言われているように性質そのものについては野放しであり、内省は多いのですが鋭く自分と対決せざるを得ないということはありません。 そして③のように祐巳の深層(あるいは二重構造)として…
直截な解決は無い話 ただ、前記のような問題をマリみては掲げ始めたのではないかとの推測をするとしても、問題の提示とその解決というような直截なものではなく、問題の提示に続く希望の提示という形になるのかもしれません。その希望はスール制度のもたらす…
マリみて版「カインとアベルの物語」? 前記のような祐巳の中の幼子と、祐麒が瞳子の中に見たような荒ぶる「幼稚園児」(それぞれの「資質」と言い換えても良いですね)を並べるとどのように見えるでしょうか。この点、マリみて解題の試みさまが瞳子について考…
祐巳の透過性 イメージに注目した話を続けます。 祐巳の中には、天真爛漫で天使のような微笑みを持つ幼子がいるのでしょう。子供というものの一つの理想形で周りの大人を引き付け癒します。決して暴れたりはしません。しかし虚弱体質で良くぐずり、その意味…
「プール帰りの女の子たち」から 話が広がりすぎるのをおそれずに。瞳子が幼稚園児の姿に重ねられたように、実際の年齢と違う姿によってその人の重要な部分が示されているところがあります。 同じく「OK大作戦」で作戦を練り終え、祐巳が祥子と落ち合うため…
月も改まって今日は「妹オーディション」の発刊日。「妹」の字を冠するとはずいぶんとまた直截なと思いつつ、楽しみにしております。土曜が休みで金曜の深夜にじっくり読める、という方は多いのではないでしょうか。 一人の中の対立軸 「『マリア様がみてる…
第4章「重荷」はそれぞれが持っている悩みや希望を中心に書かれ、四姉妹のプロフィール紹介といった意味合いが強いところで、ベスの「人形」についても詳しく書かれているところです。 ベスは人見知りが激しくて学校へは行っていなかった。行ってみたことが…
「わぁ、美味しそう。」と二人して言っているかのような、ガーリーでキュートな新刊表紙です。誰の手作りなのでしょう(と、「手作り」に決め付け)。 …すっかり間が空きました。続きです。 それから15分間というもの、この誇り高くて繊細な少女はずっと忘れ…
先日歯科医に行きまして右下奥から三番目の歯をかなり深く削られたのですが、昨夜からずきずきと痛み出しました。痛み止めも効きません。歯痛というと黄薔薇革命の折の江利子さま。今まで歯痛というものを知りませんでしたけど、侮ってはいけないものですね…
あけましておめでとうございます。更新頻度のやたらと低いブログですがそれでも日頃読んでくださっている方々、ありがとうございます。 最後に出てきた「大きなかぶ」。次々に人を巻き込んでいってついにかぶが抜ける(祥子さまが見つかる)ということかと思い…