くりくりまろんのマリみてを読む日々

2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

山百合会の変節

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Transparencyの透-架さまが、10月27日(水)の記事で、《マリみてにおける読者視点を中心とした質の変化》と題して、「ちょっとした小言」を述べられています。 ふと思ったんですけど、小説を読んでいて気が付いたんですが、蓉子、聖、江利子が卒業する前後で …

「特別でないただの一日」⑥可南子

父親の話の最高潮 物悲しく、しかし希望の持てる話でした。 可南子の父親が突然登場するのには驚きました。そして何よりも意外だったのは、夕子という慕わしい先輩が既にいたことです。話を読めばなるほどと納得のいくような描かれ方はしていますが、少々取…

「特別でないただの一日」⑤瞳子

演劇部の方を断ってまた復帰する一幕・無自覚の面白さ ここで一貫してみられる瞳子と祐巳の様子は深化せず表層に流れているように見えながらも、しかし確かに、依存とこれと対となる非依存・独立をめぐるやりとりであったと思います。とうとう祐巳も下級生に…

「特別でないただの一日」④瞳子

瞳子のウィークポイント では瞳子の、将来補われてゆくことが予想される点はどんなところにあるのでしょうか。 この点、殿下執務室さまでは、本巻での瞳子や可南子の位置付けについて考察しつつ、 恐らく筆者の側としては「山百合会の幹部というのは、一見完…

「特別でないただの一日」③瞳子

瞳子の特徴 瞳子を考えるとき、他の登場人物と共通する特徴や美点を持っているとすると分かりやすいと思います。 祐巳 髪型が類似していて暗示的です。ただ、祐巳の場合は跳ねやすい癖毛をまとめるための苦心の結果で子犬のしっぽのようだと形容されており、…

「特別でないただの一日」②瞳子

祐巳と瞳子の不思議な関係 祥子から25分間の許可を得て祐巳が瞳子を学園祭の見物に連れ出して駆け出すとき、瞳子が手をギュッと握り返したというシーンはとても印象的でした。懐かしいような、少し切ないような気分になりました。 松平瞳子像を考えつつ、な…

「特別でないただの一日」①

全体の印象 いやあ、実に楽しませていただきました。 いろいろな果物が外にまでこぼれかけた果物籠をイメージできるような作品ですね。学園という場、そして特に学園祭という外に向かって開かれるいるときに祐巳、瞳子、可南子を軸に登場人物が多数登場し、…

第十一話・第十二話③

加東景の下宿先で温まってから自宅に帰ったあと、悲しみをまた思い出して泣く姿というのは、激情が迸るような泣き方とはまた異なった風情で、観る者にも沁みてくるようです。 あまり親交のなかったクラスメイトに招かれたミルクホールでは、お互いの距離を推…