くりくりまろんのマリみてを読む日々

2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「とりかえばや物語」②

氷室冴子著ざ・ちぇんじ! (第1巻) (白泉社文庫) ざ・ちぇんじ! (第2巻) (白泉社文庫)の簡単な感想・レポートです。 ・最初に呈示される興味をずっと維持したまま、物語全体を一貫して読むことができると思います。結末に至るまで事態が緩むことなく進展して…

第十一話・第十二話②

「レイニーブルー」から「青い傘」の話の流れは、やや複雑な仕組みを持っていると思います。「レイニーブルー」では祐巳の打ち捨てられたかのような惨めさが強調される一方、祥子に何か事情があったのではと予想させるものになっています。 祐巳の視点から、…

第十一話・第十二話①

祐巳の心象の変化を表すのに雨にまつわる題材が用いられています。情緒はイメージと不可分であることを考えると、イメージを担う題材の選択は、極めて重要なことです。 まず、作品全体で強調されている「雨」ですが、これはイメージというよりもより身体感覚…

ああ由乃さん

「注意報」を見て以来、いろいろ由乃さんについて語りたいこともあるのですが、何しろ最近午前様なんです…。

祐巳さんは少し張り切り過ぎではないでしょうか

TB

殿下執務室さまが祐巳さんの友達関係が薄く見える件についてで興味深い題について論じられています。チェリーブロッサムに思う―乃梨子・祐巳・リリアンは、トラバありがとうございました。 端的に割り切って考え、祐巳はもともと万事においてスローペースで…

「とりかえばや物語」①

どちらにしようか、と少し悩みます。氷室冴子と田辺聖子。アマゾンで「とりかえばや」と入れて検索してみました。氷室冴子は翻案の度合いが強く楽しく作られており、これに対して田辺聖子は現代語訳ということで原典に近いようです。田辺聖子の方には、面白…

第九話「ロザリオの滴」

雨に濡れそぼり、苦悩する志摩子。そしてそれを追いかけてきて志摩子に優しく、かつ力強く語りかける乃梨子の情景はマリみての話全体の中でも白眉の叙情性を誇り、映像化されて良かったなぁと思います。 志摩子は、極めて強い自己抑制を行う人としてこれまで…