くりくりまろんのマリみてを読む日々

2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「未来の白地図」 ― 古典に見出すモチーフ

マリみてTTの掲示板にて。冬紫晴さん(マリみて解題の試み)によると、瞳子の演じた小公女に関連して ・Amy(エイミー)と同じ名前であるEmily(エミリー)という人形が出ている ・瞳子には、小公女を彷彿とさせるものが感じられる そうです。《青空文庫》の中…

姉妹制度の知恵⑥ ― マリみての人物造形

姉妹制度の知恵⑤のコメント欄の続きです。よーすけさまからいただいているのを改めて張り付け直します。 舞台裏的な見方をすると、祐巳の、周囲の動向に対するリアクションでしか自己主張が出来ない、自意識の薄い、曖昧模糊としたキャラクター造型は、古風…

瞳子と「演劇」を中心に⑭ ― 内面の探索と受容

『未来の白地図』、新宿マイシィティの有隣堂で買ってきました。二時の時点でサイン会の整理番号は76番。ああ、ついに生の今野先生に。 …さて。 主体的な努力がされていた 「女優業に専念する」と言って「パラさし」以降あまり登場していない瞳子ですが、そ…

瞳子と「演劇」を中心に⑬ ― 重ね合わされていた影

自らの外に重ね合わされていた?ジョアナ 感情との向き合い方という点に焦点を当て、どのように描かれてきたのかを見たいと思います。 『ジョアナ』は瞳子の内心の独白という形で綴られており、異型のものでした。表題になっている人形「ジョアナ」は重要な…

姉妹制度の知恵⑤ ― 自己受容の過程・祐巳の優しい分身

姉妹制度の知恵①などでよーすけさまから重い内容を持つコメントをいただいており未だに消化しきれていないのですが、改めて考え直したいと思います。 ・祐巳にとって他者の好意や愛情というものは、与えられるまで待っていなくてはならない、自分から求めて…

新刊表紙に寄せて

『未来の白地図』の表紙が公開されましたね。展開の予想は苦手でいつも外してばかりゆえ、諦めております。しかし、表紙の絵から連想されることをつらつらと述べたいと思います。言わば判じ絵遊びです。 表紙の構図での、体の向きと視線の方向に注目してみま…

瞳子はトリックスター?・新刊あらすじに寄せて

新刊の題は『未来の白地図』。浅はかな先入観かも知れませんけれど、瞳子の出奔は心の中のことを抱えきれずに逸脱的な行動をしてしまった(行動化、アクティング・アウト)、などということが書かれているのでしょうか。 これまでの話の現象だけを見るならば、…