くりくりまろんのマリみてを読む日々

「とりかえばや物語」①

どちらにしようか、と少し悩みます。氷室冴子田辺聖子。アマゾンで「とりかえばや」と入れて検索してみました。氷室冴子は翻案の度合いが強く楽しく作られており、これに対して田辺聖子は現代語訳ということで原典に近いようです。田辺聖子の方には、面白かったという評価のある一方で、「話が、かなり暗く、楽しめるものではありませんでした。ショックを受けました。…楽しい面が全くなく、大人向けの話です。」といったレビューもあります。これはこれで気になるところです。
なんて素敵にジャパネスク」にはかなり親しみましたが、田辺聖子と言えば小学生の高学年の頃に「女の長風呂」に始まるいわゆるカモカ・シリーズを喜んで読んでいた記憶があります。大人のエロチックさが巧みなユーモアと共に語られており、名エッセーだと思います。でもやっぱりヘンな子供だったのだろうか僕は。
特別でないただの一日」で「とりかえばや物語」が扱われるそうです。特別でない、とわざわざいうからには奇を衒わず、しかし滋味溢れる話が展開されるのだろうと期待してしまいます。大きな事件や意表を突くプロットなど無くても、楽しめる域に達していると思うのですが。